フリーランス3年目で思うこと
先月無事2回目の確定申告を終え、今年でフリーランス3年目に突入しました。
まだまだ全然です。
低空飛行。ほふく前進。
じわりじわりと上昇、そろりそろりと前進している感じ。
それもこれも私の場合、他のフリーランスの方のような「独立する!成功する!」という高い志で始めた訳ではないからだと思います。
元々美容商品メーカーでインハウスデザイナーとして働いていたのですが、1人で複数のブランドを抱え、事務処理や社内調整や業者とのやり取りなどの雑務も並行しつつ、毎週入稿の締め切りに追われ、家に帰ってもベッドに入っても仕事のことを考えて脳みそが休まらない、精神も肉体もギリギリの毎日でした。
辞める少し前は凡ミスも増え、電車の中で訳も無く涙が流れ、降りなければいけない駅を乗り過ごし、朝は目が覚めているのに体が動かない、というなかなかヤバイ状態。
電車に乗るのもしんどかったので庶民のくせによくタクシー使ってたなぁ。
退職届を提出した日から逃げたくてたまりませんでしたが、円満退社を心掛け、最終日までなんとか乗り切りました。
甘ったれ・逃げかもしれないけど、私にしてはよく頑張った。
激務で灰になりかけていた会社員生活を終え、退職直後は「とにかく休みたい、朝から晩まで働きたくない、好きなだけ眠りたい、ニート満喫するぜ!」という気持ちが強く、フリーランスも成り行きや暇つぶしで始めたようなものでした。
この頃はフリーの生活を続けようという気持ちも無く、「次の仕事を始めるまでのつなぎ」という感覚。
会社を辞めたばかりだったので、元々いた会社やその繋がりから仕事をもらいつつ、なんとか1年間、心と体を休めながらのんびり過ごすことが出来ました。
年収は会社員時代よりかなり減りましたが、新卒の年収分程度は稼げていたと思います。
(それでもフリーとしては安心できる収入ではないのですが…汗)
つなぎ感覚で仕事をしていたため、積極的に新規開拓営業を行っていなかったこともあり、2年目は月ごとに仕事量にバラつきが出始め、収入もかなり不安定になりました。
新しい得意先を増やさなければと思い(今更かい)、マーケティングとデザインを売りにしている会社が業務委託のデザイナーを募集していたので、勢いでポチっと応募。
面接の日程が決まり社長さんとお会いしたのですが、面接をしてもらっているうちに気づくと人生相談・悩み相談をしていましたw
そして業務委託の契約をしてもらうはずが、なぜか社員として働くことにw
その会社では新規のお仕事というよりルーティーンの業務がほとんどだったのですぐに辞めてしまったのですが、マーケティングについて無料で色々と教えてもらうことが出来てとても良い経験になりました。
その後はフリーランス生活へ逆戻り。
ですが、実はそのデザイン会社で働いている時も副業としてフリーの仕事も続けてはいました。
安定した収入+副業収入で結構貯金も出来たと思います。
会社員という安定した生活を捨てたので、再びネットで業務委託案件を探したのですが、WEBデザインの案件がほとんど。
私は紙媒体のデザインしかやったことが無かったのでWEBの知識はほとんど無く、貯金を崩して学校に通い始めました。
後から学校へ通ったことを若干後悔するのですが、まぁ何事も勉強ということで…
デザイン会社へ就職していた頃は副業をする時間が平日夜と週末しか無く、フリーの仕事のボリュームを抑えてしまったので、完全フリーに戻った頃はむしろ1年目より仕事が減りましたw
学費も払わなくちゃいけないし、パソコンも新しいの買っちゃったしどうすんだコレwということで、またまた就職しました。
自分でもびっくりするくらいフラフラした人生ですw
サラリーマンとして会社に骨を埋める覚悟も無く、フリーランスで自立して生きていく覚悟も無く、どっちつかずの中途半端な状態。
これって得意先に対してもすごく失礼な行為なんですけど、自分でもどうしたらいいか分からず迷走していました。
そして次に就職したのはデザイン会社ではなく、企業の人材組織開発&コンサルを行う会社。
今まで縁のなかったお堅~い業種、社員さんも一流大学出身の方ばかりで完全に場違いな私w
でもそんな真面目な会社にデザイナーという一芸入試的な特殊ルートで入社し、他に同じ職種の人もおらずレアなポジションだったので、誰とも比べられずむしろ気楽でした。
IQの高い皆さんは私のことを仲間外れにせず、何なら褒めてくれたり感謝してくれたり敬意を持って接してくださったので、自己肯定感がなくなりかけていた私にとっては自尊心を取り戻すメンタルセラピーのような時間となりましたw
また、今までデザイナーがいなかったこともあり、名刺・会社案内・パンフ・チラシなど社内の印刷物をほぼ全て作らせていただくことが出来、人生で初めてコーポレートブランディング的なことを経験することが出来ました。
この会社で学んだことは、
BtoBサービスの企業で社内にデザイナーを抱えている会社は少ない
WEBデザインの仕事は自分に知識が無くてもコーダーさんの知り合いがいればなんとかなる(※個人の意見)
です。
結局またフリーに戻りましたが、この会社とは念願の業務委託契約を結ぶことが出来、愛想をつかされない限りは今後もお付き合いを続けることが出来そうです。
また、私の場合、いきなり初対面の人とお互いのことを知らないまま仕事するスタイルよりも、1度自分の仕事ぶりを見てから仕事を振ってもらうスタイルの方が安心ということも分かりました。
短期間でも同じ釜の飯を食った人間に対しては皆さん優しいですし色々と便宜を図ってくださるので、チキン&交渉ベタな私はものすごく助かっています。
美大&インハウスデザイナーとしての経験しか無く、専門学校やデザイン事務所で鍛えられたわけでもなく、ぬぼ~っとした私ですが、3年目になってようやくフリーランスでやっていきたいという気持ちが芽生えてきました。
やっぱり「ありがとう」「頼んでよかった」「またお願いね」と言われるのはとても嬉しいです。
いくら収入が不安定で少なくても、指名してもらえたり、依頼主の方が喜んでくれたり、何度も声をかけてもらえたりすると、今まで味わったことのない喜びを得ることが出来ます。
ビビりなので未だに積極的に営業活動出来ていませんが、とりあえず動き続けていれば地味に仕事は増えていくと、この1年で身をもって感じました。
やっと覚悟と自信がチラっと出てきたので、これからはもうワチャワチャしたり逃げ道を作ったりせずに、どっしり腰を据えてフリーランスという「いばらの道」をマイペースで頑張っていきたいと思います。